9月も近いというのに拭いても拭いても汗が噴き出す猛暑続く平成30年の夏の終わり、筆者が帰宅途中に立ち寄った博多区那珂の『達磨ラーメン』にも神棚がありました。厨房の壁面に荒神さまが見え、もしかしてと店内を見渡してみるとその奥に立派な宮型。あまりにも綺麗にされていたので思わず店主に尋ねると、「毎年10月、神無月で神様がお出かけのうちに神棚の手入れをして、11月は、伊勢神宮からお神札やしめ縄を頂いておまつりする」とのこと。また「日頃はご飯やお神酒などをお供えし、1日と15日には榊を替えてろうそくを灯す」「身内が亡くなったらまず穢れたものが入らないよう神棚を60日間封印してその下に遺骨を置く」など、聞けばいろいろと習慣がある模様。元は建築系の仕事をしていて「建設現場では建てる前の地鎮祭、棟木をあげる際の上棟祭、完成したら竣工祭、取り壊す際は解体清祓いと、色々なタイミングで祭事が関わるので自然と詳しくなった」といいます。お話の中で祝詞の暗唱を披露する姿にはさすがに驚かされました。
「あなたみたいにそういうこと(神棚百景の取材・執筆)をしようとする人は何かしら伝えないといけない使命があるとよ」「語り継がんといかんばい」と。励みになると同時に身が引き締まる思いでお店をあとにしました。