お神札とくらし

神棚百景-神棚のあるくらし

長浦ちえさん

長浦ちえさん

2017-10-4

長浦ちえさんは水引デザイナーという新しいジャンルを自ら切り開き活動する作家です。伝統に則りつつも縛られない(彼女の言葉を借りれば「クラシックからロックまで」広がる)幅広いその作風は見る人を常に驚かせます。
そんな長浦さんが日々制作をするアトリエにも神棚があります。白い壁にそっとまつられた宮型はギャラリーを思わせるモダンな室内とのギャップからか目を引きとても粋な印象を受けます。
しかし、いわゆるデザイナーというスタイリッシュな職業の長浦さんが、なぜ神棚を持つに至ったのでしょうか。「幼い頃から両親のマネをして手を合わせたり、神棚掃除のお手伝いをしていました」。幼少期からそう過ごしてきた長浦さんにとって、神棚のある生活はごく自然なことだったのかもしれません。
また、こうも話します。「私にとって神棚は、いつもお世話になっている方々の真心を思い出させてくれるものなんです。この神棚はアトリエを開設する時に什器の制作をしてくださった建具屋さんが心を込めてつくってくれたものです。当初オーダーしたものよりもはるかに立派なつくりの神棚を見て驚く私に『真心たい。』と(笑)。開設祝いも兼ねて取りつけてくださいました。神棚を見ると真心を忘れないようにと気が引き締まります」。
そんな長浦さんは最近水引のデザインをしていて思い出したことがあったといいます。「小さい頃から『なんでこんなにいっぱい人がいるのに会う人が決まっているんだろう』とずっと不思議に思ってました。つまりこれって“ご縁”のことですよね。水引はご縁をつなぐもの。だから私は水引をやっているんだと気付いたんです。こういうことをやりたかったんだと」。
最初から水引を扱おうとしていた訳でなく導かれるようにして水引を手がけるようになった今、その意味を思い出すように実感しているといいます。
人のご縁だけでなく自身の記憶とその意義を丁寧に結んでいく姿は、まさに長浦さんの屋号「TIER」(結ぶ人の意)を思わせました。

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